PA(音響機器)のミキサーとは?役割とおすすめ商品をご紹介
2020.07.13音響PAミキサーは店内BGMを流したい場合や、会議やイベント等でアナウンスを行う場合に必要となる音響機器です。しかし、マイクやスピーカーのような分かりやすい音響機器と比較して、PAミキサーは分かりにくい存在かもしれません。
そこで今回は、PAミキサーの機能や役割をご説明するとともに、おすすめのPAミキサーについてもご紹介します。
PAミキサーとは
PAミキサーとは、入力された音のバランスを調整し、聞き取りやすい音を作るための機材です。音を入力するためのチャンネルが複数あり、入力されるそれぞれの音をミックスし、スピーカーから鳴らします。機種によっては入力された音にエフェクトを追加することも可能です。
PAミキサーは商業用音源や映像内の音声をミックスする作業をはじめ、各種公演の音場設定などに利用されています。そのほか個人利用でも、自作の音源や動画の音声編集などの用途で使用されています。
そもそも「PA」とは
「PA」とは、「Public Address」の略称で、音響機器を指しています。具体的には、マイクやアンプ、スピーカー、ミキサーなどがPA機材に該当します。音楽ファンの方であれば、ライブハウスなどでPA機材が使われているイメージをお持ちかもしれません。そのような場面だけではなく、アナウンスやスピーチ、店舗BGMを流すシーンなどでも使われています。
また、音楽や映像を取り扱う業界では、音響オペレーターやエンジニアスタッフを「PA」と呼ぶこともあります。コンサートや講演会などの会場で「PAさん」といえば、そのようなスタッフを指す場合が多いでしょう。
PAミキサーの種類
PAミキサーは、大きく3つの種類に分けることができます。ここでは、PAミキサーの主な種類についてご紹介します。
アナログミキサー
入力された音声信号の音量・音質の調整をアナログ音源の状態で行うミキサーです。つまみやフェーダーの状態が分かりやすく、機能もシンプルなため直感的に操作できます。デジタルミキサーと比較して、安価な点もメリットです。
デジタルミキサー
入力された音声信号をデジタルデータに変換して音量・音質の調整を行うミキサーです。デジタルミキサーの場合、それぞれのつまみやフェーダーが複数の機能を兼用しているため、多機能な上にコンパクトです。また、デジタルミキサーはフェーダーなどの位置を記憶することが可能で、設定した状態をすぐに復元することができます。
パワードミキサー
通常のミキサーの場合、音声信号が微弱なため、スピーカーから音を鳴らすためにはパワーアンプを使って音声信号を増幅する必要があります。パワードミキサーは、このパワーアンプの機能を内蔵しているため、直接スピーカーに接続して音を鳴らすことが可能です。
PAミキサーの選び方
PAミキサーを選ぶ際に、まず考えなくてはいけないのが入出力端子の数です。マイクや楽器など、入力に使用するものの数に合わせて、必要な入力端子の数が決まります。出力端子は、使用したいスピーカーの数だけ必要です。入出力に使用する機材が増えるほど、端子の数が多いミキサーを選ばなければなりません。
また、入出力端子以外では、エフェクターの有無も選ぶ際の判断基準になります。もし、ミキサー側でリバーブやディレイなどの効果を使用したいなら、エフェクターが使える機種を選びましょう。
プロオーディオ向けのPAミキサーとホームオーディオ向けのPAミキサーのいずれについても、価格が上がるほど高音質になる傾向があります。ただし、プロオーディオ向けのミキサーの場合は音質面に加えて「パワー(出力)」や「耐久性」、「信頼性」などの面をより重視して作られている点が特徴です。
PAミキサーの主な各部名称と機能をご紹介
音源の音質を調整し、安定感を与えて聴きやすく整えるPAミキサーは、具体的にどのような機能を備えているのでしょうか。ここでは、PAミキサー各部の名称と主な機能についてご紹介します。
GAIN(ゲイン)
ミキサーに入力された音声信号の大きさを決める機能です。
COMP(コンプレッサー)
音を圧縮して適切な音量にまとめる役割と、音圧を上げて音を太くする役割があります。歌声や楽器の演奏などは一定でないため、コンプレッサーを使って聴きやすい音に調整します。
EQ(イコライザー)
HIGH・MID・LOWなどの周波数域を増減し、音質を整える機能です。楽器や歌声などの「HIGHをブーストしたい」「LOWをカットしたい」といった場合、イコライザーを使って調節します。
FBS(フィードバックサプレッサー)
音響オペレーターがいない状況で、ハウリングに対応することは簡単ではありません。フィードバックサプレッサーの機能を使えば、このような際にハウリングの周波数域を自動的に検知して、ハウリングを抑制することができます。
なお、PAミキサーにはFBSを備えている製品と備えていない製品があるため、選定する際にはFBSの有無についても確認すると良いでしょう。特に、マイクを用いる会議やイベントで使用する場合には、ハウリング抑制機能であるFBSを備えたPAミキサーがおすすめです。
EFF(エフェクト)
音声にリバーブやディレイなどの効果を付けることができます。
フェーダー
音量の調整を行えます。チャンネルごとの音量を決めるチャンネルフェーダーや、最終的に出力する音量を決めるマスターフェーダーがあります。
JATOがおすすめするPAミキサー
JATO online shop マガジン編集部
アナウンス時の他チャンネルをミュートする機能(ダッキング機能)を搭載し店舗や公共施設のBGM・アナウンスに最適です。EIAラック用のマウントキットを付属。
JATO online shop マガジン編集部
各入力の出力設定(入力信号のオン・オフ、送出先)をあらかじめ最大8パターンまで登録することができます。パターン選択スイッチを選ぶだけで、登録したパターンの呼び出しが可能です。登録されたパターンはプロテクトスイッチにより保護できるため、誤操作を防ぐことができます。
JATO online shop マガジン編集部
ハウリング抑制機能や3種類のプリセットイコライザー機能、ステレオ入力ミュート機能やパターンメモリー機能(計4パターン)など、さまざまな機能を備えています。分かりやすいパネルレイアウトで、操作も難しくありません。
おわりに
PAミキサーは機能と役割さえ理解してしまえば、それほど複雑な操作が求められる音響機器ではありません。しかし、PAミキサーは音量バランスの調整やハウリングの防止など、聴衆にストレスを感じさせない環境を作るために重要な機器でもあります。用途に合った製品を選び、しっかりと使い方を理解することで、快適な音響空間を作りましょう。
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