JATO online shopで取り扱いを開始した「PANPHONICS製『指向性平面波パネルスピーカー』」。
あまり聞いたことのない種類のスピーカーで、指向性?平面波?普通のスピーカーと何が違うの?どう使えるの?と感じられた方も多いのではないでしょうか?
特に店舗や展示会で「音声案内をしたいけれど、周囲がうるさくなっては困る、、、」とお悩みの方にぴったりのスピーカーです。
今回の記事では、「平面波」スピーカーであるPANPHONICS(パンフォニクス)製品について、物理的な音の伝わり方から、特長、おすすめの利用シーンまで徹底解説します。
平面波スピーカーとは? 仕組みと特長を解説
一般的なスピーカーとの違い
一般的なスピーカーの多くは、ひとつの点から出る「点音源」が、球状に拡散される「球面波」です。球状に拡がる音は、距離が2倍になると表面積が4倍に拡がり、音圧レベルは6db減衰します。スピーカーからの距離が離れるほど音が小さく聞こえるのは、音が拡散することで、音のエネルギーが分散してしまっているからです。
この問題の解決策の一つが「ラインアレイスピーカー」です。縦にスピーカーを並べることで「線音源」を作り、円柱状に拡散されるようコントロールしています。音が上下に拡散されないので、距離が2倍になっても表面積は2倍になり、音圧レベルの減衰を3dBにとどめることができます。遠くまで音を届ける必要があるホールやスタジアム、天井や床の反射の影響を受けやすい会議室・体育館などで活躍します。
そして、平面波スピーカーは、その名の通り「平面波」という特殊な音波を放射するスピーカーです。平面波は、上下にも左右にも拡散することなく、そのまままっすぐ進みます。そのため、理論上は距離が遠くなっても減衰することなく、狙った場所にだけ音を届けることができるのです。
※線音源・平面波による音源において、効果が期待できるのは一定の距離までとなります。

PANPHONICS製スピーカーの構造と仕組み
PANPHONICS製スピーカーは、同社が開発したSolid Film(ソリッドフィルム)方式により、「平面波」を放射する構造を持ちます。スピーカー内部のパネル全体を振動させることで、音を面状に押し出すことができるのです。この仕組みにより、スピーカーが設置された空間で「どこから音が出ているのかわからない」ほど自然な音場を作り出せると同時に、設計された狭い角度の中でだけ音を届けることができます。
独自のパネル構造と制御技術により、音の水平拡散角度をわずか“4度”、垂直方向も“16度”という極めて狭い範囲に限定。限られたエリアに、音をまっすぐ届けることが可能です。(20cmx60cmモデル)
この高い指向性によって、音漏れや周囲へのノイズ干渉を防ぎながら、必要な場所にだけクリアな音を伝える「スポット音響演出」を実現しています。

弊社でPANPHONICS製品の検証を実施した際には、20mほどの広さの研修室の一番前にスピーカー1台を設置して、部屋の一番うしろにいても適切な音量で音声が届くことを体験できました。
実際の空間では、人や物にぶつかった音が反射する影響もあり、真正面以外では完全に聞こえなくなるというわけではありませんでしたが、スピーカーの正面のエリア以外では、音が小さくなることも体感できました。
天井から真下に向けて設置した場合には、反射の影響が少なくなるため、より狙った場所のみに音を届けられるようになると考えられます。
PANPHONICS製平面波パネルスピーカーの活用シーン
高指向性という特性を活かせる環境は多岐にわたります。
- 展示会やショールームでの音声ガイドや商品案内
- 美術館・博物館での解説音声
- 駅・空港の案内放送やインフォメーション
- 商業施設や店舗でのプロモーション音声
- 医療施設やホテルでの個別案内や演出

周囲に音が漏れないことで、「静寂」と「音声案内」の両立が可能になることが最大の特長の一つです。
特にブースで仕切られた展示空間で来場者のみに音を届ける場面や、美術館・博物館などの静かな環境でも周囲に迷惑をかけることなく使えることが大きなメリットとなります。
これまで、「音声の案内をしたいけれど対象者以外には騒音と感じられてしまう」などのネガティブな影響を懸念して、スピーカーの設置を見送ってきた場所にも、安心して導入できる選択肢となります。
※PANPHONICS製品は、屋内専用機となっております。

デジタルサイネージ × 指向性スピーカーの相性
デジタルサイネージに音声を使用する効果
商業施設や駅、公共空間などの案内表示が、従来の紙のポスターから、ディスプレイを使ったデジタルサイネージに移り変わっている現代、静止画だけでなく、動画を活用した案内や広告も増えています。
そうした中で「音声」を組み合わせることで、視覚と聴覚の両面から訴求できるようになり、情報の伝達力や印象付けする効果は倍増するとも言われています。
たとえば、映像だけでは見過ごされてしまうような内容でも、音声によってユーザーの注意を引くことで、足を止めたり・興味をもったりする効果が期待できます。
一方、通常のスピーカーを使った場合、音声による課題も生じます。
多くの人に音を届けるために音量を上げると、周囲にも音が漏れて「騒音」と受け取られてしまうことがあります。また、複数のサイネージがある環境では、近くにある別のサイネージの音声と混ざって明瞭に届けられなくなり、逆に伝達効果が下がってしまう可能性もあります。
「必要な場所にだけ、必要な音を届ける」ことができれば、こういった課題の解決が可能となります。

デジタルサイネージにPANPHONIS製品を組み合わせる効果
PANPHONICS製品は、デジタルサイネージとの相性が抜群です。
高い指向性によって画面を見ている人にだけ明瞭な音声を届けることができます。そのため映像と音が完全に同期した演出が可能となります。
たとえば、広告サイネージでは歩行者ごとに異なる音声体験を提供することも。また、空間全体に音を拡げる必要がないため、施設全体の静寂性や落ち着いた雰囲気を損なわないというメリットもあります。
さらに、製品自体が薄型・計量設計のため既存の大型モニターや案内板の周辺にも簡単に後付け設置することができ、シームレスに音響機能を追加できます。

PANPHONICS製品の特長まとめ
PANPHONICSの指向性平面波スピーカーは、「音響設備は目立たせたくない」「静かな空間に音を加えたい」という現場で真価を発揮する、視覚的にも、機能的にも優れたソリューションです。
洗練された外観と設置性
- 北欧デザインのフラット&シンプルな外観
空間の美観を損ねず、さまざまな空間に調和します。 - 厚さわずか3.4cm・重量約1.4kgの薄型軽量設計(20cmx60cmモデル)
天井や壁への貼り付け・吊り下げが簡単で、後付けにも対応しやすい設計です。 - スピーカーエレメント自体は厚さ4mm 重量200g マグネットレス
超軽量かつ薄型のエレメントで、限られた設置スペースにも柔軟に対応します。

技術と信頼
- 世界屈指の指向性制御技術
PANPHONICSが開発したSolid Film方式により、音の水平拡散角度はわずか4度。 - 長期安定使用に耐える耐久性と省エネ性能
シンプルな構成と省電力設計で、長期運用においてもコストや負担を軽減します。 - 豊富な採用実績
国際空港や公共施設をはじめ世界中で豊富な採用実績があります。
大阪・関西万博でも某パビリオンで採用されております。
まとめ
音があるのに、スピーカーはどこにもない──
そんな不思議な体験を実現するPANPHONICS製指向性平面波パネルスピーカー。音の常識を変えるその存在は、音響機器という枠を超え、空間デザインの一部として、静かに広がり続けています。

PANPHONICS製品の販売情報
今回ご紹介したPANPHONICS製品は、JATO online shopでご購入いただけます。


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